自転車事故をきっかけに車いすが不要になった奇跡

 映画「スーパーマン」シリーズ4作の主演、クリストファー・リーヴは、95年に乗馬中に落下して脊髄を損傷した。そのために首から下が麻痺した状態になり車いすの生活を送ることとなった。それでも車いすに乗りながら映画に出演するなど活躍した。しかし95年、自宅にて心不全をおこし、そのまま帰らぬ人となった。52歳の若さだった。
 
 そのクリストファー・リーヴが出演したCMがかつて物議を醸した。車いすからゆっくりと立ち上がった彼が歩き出すのである。もちろん特撮によるものであるが、車いすの生活を送っている人に非情な希望を与えるとの批判の声が上がった。下半身不随になれば、現在の医療では元に戻らない。そうした批判も納得ができる。
 
 ところが驚くべき奇跡がオランダで起きた。2008年北京パラリンピック、女子車いす競技の銀メダリスト、オランダ人のモニク・ファンデルホルストさん(27)がその人である。
 
 来年のロンドンパラリンピックに向けてのトレーニング中、自転車にはねられた。ところがその後、足に痛みを感じるようになり、リハビリの過程で脚が少しずつ動き始めた。そしてとうとう健常者としてロンドン五輪を目指すというのである。医者は「説明がつかない」と驚いている。ファンデルホルストさんは13歳の時に受けた手術がきっかけで車いすの生活となっていたのだ。
 
 この奇跡が今後の医療の進歩に何らかのよい影響をもたらせば良いだろう。根本的な治療法が見つからない病態というのは数多く存在するが、そうした病態も医療の進歩によって克服される時が来るのかもしれない。クリストファー・リーヴにその奇跡のチャンスはなかったが、スーパーマンのように飛ばなくても良い、せめてCMのように歩いてくれたなら、そんな風に思う。
 
 人は絶望することがあるかもしれない。それならば、夢や希望などは捨てた方がいい。時に夢や希望は重荷になる。ただ、絶望の底にいるときにだけ、奇跡は起こる。それはきっと、命の危険にさらされたときに「おまたせ」と現れるスーパーマンのようなものであるはずだ。
 
  

★ オランダの車いす選手、「奇跡の事故」で下半身まひ回復(ロイター・11/12/9)
★ スーパーマンのような人(本ブログ・06/9/25)
 
↓「スーパーマン」第1作(1979年)ロイスを救出するシーン


 
↓冒頭のコマーシャル↓

 
★ 【動画】オスカーに登場したクリストファー・リーヴ〔1996年)
 

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コメント

  1. […]  米国テレビ番組の動画がある。ダウン症の男性がレジで袋詰めをするが、彼に対して「もっと早くできないのか」「うすのろ」「私の言っていることが分かる?」などと罵声を浴びせる。しかしこれは、罵声を浴びせている方もダウン症の男性も俳優さんだ。つまり「仕掛け人」。これはスーパーのレジでそうした文句を言っている人の後ろに並んでいる人の反応を見る番組の実験だった。    ひどい言葉にただうつむくだけの人、仕掛け人の「あなたもそう思わない?」という質問にうなずくだけの人。そして、仕掛け人に対して声を荒げて注意する人も現れる。    もしこういう場面に遭遇したらどうするか。恐らく一番多いのは見て見ぬふりをすることであろう。傍観者になることで問題に巻き込まれなくて済む。しかし傍観者というのは、そうした加害行為に対して止めることをしないのであるから、傍観しているだけでも加害行為に充分加担しているといえる。    こういった場面に遭遇した時に人は試される。自分の正義を貫く人なのか、困っている人に手を差し伸べる人なのか、何もせず、いてもいなくてもどうでもよい人なのか。     ☆ 人気ブログランキング(国内ニュース)に参加しています。クリックのご協力をお願いいたします。   ★ 自転車事故をきっかけに車いすが不要になった奇跡(本ブログ・11/12/1… […]