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大阪地検検事のFD改ざん事件とNHK記者情報漏えい問題 2人の思い上がり

 大阪地検特捜部の主任検事がフロッピーディスクのデータを改ざんして逮捕された事件。逮捕された主任検事は、「大変申し訳ないことをした。有罪の立証に消極的な証拠があることで公判が紛糾するのを避けたかった」などと語った。主任検事は11日付で懲戒免職になった。
 
 NHK報道局スポーツ部記者は、大相撲の野球賭博問題をめぐり、警察の捜査情報を捜査対象者に漏らしていた。報道に携わるものが絶対にやってはならないことである。記者は「メールをきっかけに相手との関係性を保ちたかった」などと話している。
 
 この2つの問題は共通点がある。どちらも元々は別の事件から端を発していることだ。主任検事は自称障害者団体の郵便不正事件を捜査していた。厚労相の女性局長らが逮捕されたが裁判では無罪となっている。NHKの記者は大相撲の賭博事件を取材している過程で捜査情報を漏らした。いずれも通常の倫理観を持っていれば”第2の事件”にならずに済んだことである。
 
 これまで何度も書いたが、同じ組織に長くいることで組織の常識が傍から見れば非常識になることがある。考え方が硬直しないためにも常に新しい感覚を磨かなくてはならない。身近な手段としては、読書や芸術鑑賞など、見る目や聞く耳を養う必要があるのだ。多くの人と会ってさまざまな考え方に接しないといけない。
 
 上記のようにそれぞれの”動機”を話しているようだが、2人は何か勘違いをしていないだろうか。試験を突破して検事に、そして記者になったのは自分たちの力かもしれない。しかし、その後の仕事内容を認めたのは上司であり、同僚であり、友人であり、家族である。時には他人でも評価してくれる。
 
 人というのはそうして客観視され、他人から力を借りることにより生かされている。自分が1人で本職に就いていると思ったら思い上がりも甚だしい。本職にありながら法を犯したという問題だけではない。そうした周りの人たちをも欺いた道徳的な罪でもあるのだ。
 
 
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★ NHK記者の情報漏洩、大相撲中継中止決定のその夜に(朝日新聞・10/10/9)
★ NHK捜査情報漏洩:記者倫理を逸脱 内部からも批判(毎日新聞・10/10/9)
★ 「あってはならないこと」 内部情報ではないと強調 NHK幹部、険しい表情で説明(時事通信・10/10/8)
★ 前田検事を証拠隠滅罪で起訴 懲戒免職に(読売新聞・10/10/11)
 
 

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