だまされた沖縄県民 何のための一票だったか 鳩山首相と普天間飛行場問題

 あんな画は初めて見た。反日の外国要人を乗せた車ならともかくだが、日本の総理大臣を乗せた車が、抗議のシュプレヒコールの中を猛スピードで疾走していく。黒塗りの車の中に乗っていたのは5月4日に沖縄を訪問した鳩山首相である。
 
 もう一つ驚いたことがある。「辺野古のあのきれいな海を・・」と言っていたので、てっきり行ったことがあってのことだと思ったが、少なくとも総理になってから初めての沖縄訪問だということだ。米軍、沖縄県民のかたがたと、考えることは多いが、これまで「きれいな海」をテレビでしか見たことがなかったのか、移設云々は沖縄から遠く離れた永田町で決められたことなのか、そう考えるとやるせない。
 
 午前9時過ぎ、那覇空港に降り立った鳩山首相。沖縄県警の護衛車に先導されて県庁へ向かう。「県内移設を断念せよ」、「県民は怒っているぞ」と抗議する県民の声が街角に響く。その中を走り抜ける首相を乗せた車。私服の警察官が車と併走して走る。
 
 仲井真・沖縄県知事との会談では、「沖縄の皆様にご負担をお願いしなければならない」と頭を下げた首相。県知事は「県民と政府とではズレがある」、「(政府との交渉は)まだスタートではない。中身を聞いていないですから」。県議会議長らとの会談では、初めてくい打ち桟橋方式などを公に認めた。
 
 首相を乗せた乗用車は、抗議のデモンストレーションをしている県民を尻目に猛スピードで次の訪問地である宜野湾市・普天間飛行場に向かった。飛行場近くの小学校校舎屋上から飛行場を視察。校長が「騒音がひどい」と訴えた。
 
 稲嶺・名護市長と会談するために訪れた名護市民会館でも、多くの県民が待ち構え、鳩山首相の車列に向かって抗議の声を上げる。首相は「この海を汚してはならないという思いで、このきれいな海を眺めた」、「やはり日米同盟を維持する中、抑止力での観点から、沖縄の皆さん、あるいは、沖縄周辺の皆様方に引き続きご負担をお願いせざるを得ないのも、政府としての考え方として申し上げなければなりません」。稲嶺市長は、「選挙で公約されたことをしっかり実現できるよう、決断、英断をお願いしたい」。話は平行線で終わった。
 
 宜野湾市民との対話が設けられた会場。県民女性は、「総理大臣、あなたは最低でも県外とおっしゃっていました。政治家の言葉はすごい重みがあります。もし一部でも県内に移設することに対しては、県民が絶対に納得いたしません」。これに対し首相は「沖縄の皆様方に恐縮ではございますが、ご負担をまたお願いせざるを得ないというのが、現在の政府の考え方でございまして・・」。
 
 対話が終わった後に、会場を去ろうとした首相に対してヤジが飛ぶ。「ふざけるな!」、「私たちの話を聞きなさい!」、「しっかりしろ」。首相に詰め寄る女性を私服警察官が阻止する。そして、会場の外にも黄色いかりゆしを着た県民が抗議のプラカードを手にし、声を枯らして気勢を上げる。もう一度書くが、抗議の相手は外国人ではなく、同じ日本人の首相である。ここまでの異常な光景は記憶にない。
 
 最後に記者団に対しての首相の発言が意味の分からないものとなる。記者が「公約に反したことについてどう責任を取るか」と聞いたことに対して、「公約というのは選挙の時の党の考え方。党としてではなく、私自身の代表としての発言」などとした。
 
 県民の方が民主党に対して大きな期待を込めた衆議院選挙の一票は裏切られた。「県外移設」の美辞麗句は、沖縄県民を愚弄しただけの説得力のない政治家の言葉であった。鳩山首相、あなたは一体誰のための代表なんですか。
 
  
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