銀色に光った浅田真央の涙 バンクーバー五輪閉会

 
 「そうですね、長かったというか、あっという間でした」。
 
 こう答えたのは浅田真央。フィギュア・フリープログラムの演技終了後の最初のインタビューで「4分間はどうだったか」と聞かれてのことだった。次に「長かったと感じたのはどの当たりですか?」とインタビュアが質問している最中に浅田の顔がくしゃくしゃになった。見ていたこちらの涙腺もここで爆発した。
 
 「4分間だったんですけど、すごく・・・もう、まあいろいろ考えたりして、長かったなと思ったんですけど、でも本当に、あっという間に終わってしまいました」。
 
 「演技に行く前に音楽を聴いていましたが、どんなことが頭をよぎったのですか?」
 
 「でも、自分の今できることは、すべてできたので、悔しいですけど」。
 
 久しぶりに五輪選手が「悔しい」と言ったような気がする。負けを認め、それを公言することはかなり勇気の要ることだ。しかし初出場の五輪で銀メダルというのはすごいことである。それに浅田はまだ19歳。顔をゆがめ、呼吸も乱しながら泣いていた時は、まだ幼い女の子が泣いているような感じがして、親のような心でこちらも胸が熱くなった。
 
 敵ながらあっぱれだと思ったのは、金メダルのキム・ヨナだ。ショートではボンドガールを魅力的に演じ、フリーでは無駄のない動きに感心した。高さのある回転、しなやかな動き、それは次の動きへ自然に移行できるしなやかさであった。
 
 どこかの記事で「浅田の服の色がよくなかった」と書いてあったが、色よりもむしろ、肌(色)をもう少し露出してもよかったのではないかと思う。キム・ヨナがそうであったように、もともと手足の長い浅田だが、服装でそれを隠してしまったのはもったいない。大きく演技を見せることができた方が綺麗に見える。その点が少し残念だ。
 
 それにしても、東洋人がこんなに健闘する種目だったかと驚いた。キム・ヨナ、浅田、安藤美姫、鈴木明子、米国代表だが日米両国籍を持つ長洲未来、と上位10人のうち5人が東洋人だ。昔と違って体格も変わり、小柄な東洋人はジャンプなどに有利になったことがあるかもしれない。
 
 銅メダルのロシェット(カナダ)は、2月21日に母親が心臓発作で急死という悲報を受けた後での出場となった。フィギュアで初の金メダルを韓国にもたらしたキム・ヨナ、初出場で銀メダルを取った浅田。3人はそれぞれの想いを胸に秘めて表彰台に立ったことだろう。
 
 どうしてもメダルの色に話題が行ってしまうが、表彰台に立つものだけが分かることがある。それは首にかけられるときのメダルの重さである。その重さは、それまで背負っていたプレッシャーを解放させてくれる、小さくて心地よい重さなのである。
 
 初出場の五輪までに長い年月をかけてきた浅田真央。これからは次への4年という時間を意識して練習をすることになる。がんばれ!真央ちゃんのトリプルアクセルを跳ぶ前の、手足を振り子にする一瞬の静寂が大好きだった。
 
 
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★ 浅田「銀メダル、すごくうれしい」 フィギュア陣が会見(朝日新聞・10/2/27)
★ 【フィギュア】東洋系が席巻 身体的、文化的に優位性?(産経新聞・10/2/26)
★ 五輪フィギュア:浅田の銀、視聴率最高46.2% 占拠率は71.8%(毎日新聞・10/3/1)
★ 五輪フィギュア:ロシェット、母失い表情で涙(毎日新聞・10/2/24)
 
 

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