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今年”時効”の「井の頭公園バラバラ事件」は死体遺棄事件?

 
 最近、アクセスしていただいている方にブログ内のトップエントリから考えさせられることもある。ここ数日間にアクセスの多いのが今年の春に書いた「時効成立 井の頭公園バラバラ殺人」であるが、なぜアクセスが多いのだろう。テレビで何かやっていたか、と思って気付いたことがある。遺体がバラバラだったから自動的に「殺人・死体遺棄事件」と思っていたが、この事件は単に「死体遺棄事件」ではないのかということだ。つまり、例えば病死した遺体を切断して遺棄した可能性もある。
 
 事の真相を探るべく、当時の読売新聞記事を検索してみた。4月のエントリで書いた、続報が無かったことを裏付けるかのように、キーワード「井の頭公園 バラバラ」での検索結果はたったの16件である。
 
 第一報は94年4月23日の東京夕刊「井の頭公園に左足 ポリ袋入り、ごみ収集場に 東京・三鷹」である。この中では「警視庁捜査一課と三鷹署で調べたところ、左足の足首と分かり、死体遺棄事件として捜査を始めるとともに・・・」とあった。
 
 しかし翌24日の東京朝刊には「警視庁は、園内のゴミ箱など計14カ所から同一人物のものとみられる両手首、ひじ、ろっ骨などの入ったポリ袋を発見した。このため殺人、死体遺棄事件として三鷹署に特捜本部を設置・・遺体は死後2日前後・・」とある。25日にはさらに遺体が見つかり、26日に身元が判明する。
 
 5月3日の見出しが「東京・井の頭公園バラバラ遺体 殺害現場は?」などとなっており、記事ではこの時点で捜査が長期化する可能性を指摘している。その後の見出しは「井の頭公園バラバラ事件」となっており、殺されたことを断定できるような記述はない。
 
 同年11月23日東京朝刊では、被害者が「何らかの理由で(自宅のある)吉祥寺駅一つ手前の西荻窪駅で下車した後に事件に巻き込まれたとみて・・・」とある。
 
 翌95年1月12日夕刊では「東京・井の頭公園バラバラ殺人・・」との見出しとなってはいるが、やはり死因を特定するような記述はない。この日の記事は、吉祥寺駅近くで被害者に似た男性が男2人に殴られているという目撃情報が掲載されている。
 
 そして3月9日には「バラバラ事件」となり、被害者の父(当時67)が、被害者の父親の心情を綴った鎮魂の書「心事の奇跡」(創英社)を出版した記事となっている。これが最後の記事となり、同月20日には「地下鉄サリン事件」が発生、三鷹署特捜本部は解散してしまう。
 
 最新の記事が今年の4月23日「井の頭公園切断遺体事件が時効・・」である。この記事の中では、「・・・23日午前0時、公訴時効が成立した。警視庁は殺人、死体遺棄事件として、延べ37000人の捜査員を投入したが捜査は難航・・・(中略)15年間の情報提供は約250件だった」などとなっている。
 
 これだけの猟奇的事件であるから殺人事件に間違いない気もするが、殺されたという根拠が見当たらない。死体遺棄事件であれば時効は3年であるが、いずれにせよすでに時効は完成してしまった。もし犯人が分かるようなことがあれば、民事訴訟で不法行為に基づく損害賠償請求が唯一の罰を与える機会となるが、それも捜査が終結している以上、難しいことである。この時効は不法行為を知ったときから20年であり、あと4年4カ月ほどである。
 
 被害者である川村さんの頭部などは発見されていない。遺体が完全な状態で発見されていないことが、逆に殺人の疑いを濃厚にさせたような気もする。本を出版した父親はすでに他界したとのことだ。知人女性の言葉が最後に載っていた「川村さん一家にとって時効はないはず」という記述が無念さを表している。
 
 
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★ 時効成立 井の頭公園バラバラ殺人(本ブログ・09/4/24)
  
 

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