成人の年齢 18?20? どちらが妥当?
法制審議会が成人年齢を20歳から18歳に引き下げる方針をまとめた。仮にこの民法改正が実現すると、少年法で定める未成年の年齢、公職選挙法の選挙権、未成年者禁酒禁止法の酒類の扱い、そしてタバコにギャンブルなど308もの法令に影響がある。民法に準拠しているだけの法令もあり、全ての法令が直接影響するわけではないが、混乱することは避けられない。識者の間でも賛否は分かれている。
例えば現行の民法では、未成年者の契約には親権者の同意が必要だ。未成年者が勝手にした契約は取り消すことができるのが現行法だが、新たに18歳が成人だと定義されれば、高校3年生でもローンの契約が可能になる。大人でもだまされるような悪質商法に巻き込まれる危険性が高まる。
刑法の未成年を対象にした犯罪にも影響がある。未成年者略取・誘拐罪など、これまで保護の対象であった18、19歳がその対象から外れる。逆に少年法の下で少年院送致などの処分を受けていた未成年が一般の刑事事件の被告と同じ扱いになり、「更生に向けた支援がなされなくなる」(日本弁護士連合会)という声もある。
射幸心を煽るギャンブルや、酒やタバコも若いうちから可能になることから、警察庁、農水省や経産省も法令の見直しを検討することになる。
以上は法律論の一部である。
時に人は「昔はよかった」「古き良き時代」などと懐古的発想になることがある。これはいつの時代でもそうであり、なぜそういう風に思うかと言えば、若いころというのは大人にはない自由があったからだ。親から守られ、社会からも守られて若さを享受していたからそう思うのである。しかし大人になると自由を甘受することよりも、自由や権利を得るために責務を果たすことが必要になってくる。
この責務を果たさない大人も多いその一方で、若くして立派に社会に貢献する青年もいる。成人になるということは、法律が2年早まることでもなければ、酒やタバコができることでもない。本当の大人になるということは、周りを見回して多くの人々が躊躇してうつむいているときに、胸を張って小さな一歩を踏み出す勇気を持つということである。これができなければ、大きな人生の中のたった2年など何の意味もない。
☆ 少年は最初、自由に向かって溜め息をつく(ヴォルヴナルグ)
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★ 「成人年齢18歳」 308法令に影響(毎日新聞・09/7/30)
★ 「18歳成人」評価と困惑 大人実感、悪質勧誘も(読売新聞・09/7/30)
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