言葉のリサイクル

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海外に流れる日本の廃家電

 中国広東省で、日本製の中古家電製品がゴミと化している。家電製品の中には有害物質が多く含まれるために、環境汚染・健康被害の問題が起きている。壊れた中古品は修理すれば使えるものもあるだろうが、もともと日本からの中古品として流れてきた品には商品保証も修理も何もない。
 
 そうなれば不法に投棄されるが、有害物質の垂れ流しで健康被害が拡大するのは時間の問題であろう。しかしこの問題は中国だけではない。東南アジアやアフリカにも中古品は流れており、壊れたら最後、ゴミの山と化す。現地では修理やリサイクルの設備が整っていないので、ゴミとなるしかない。
 
 ところで、この廃家電は本来ならばリサイクル(再生利用)されるはずである。我々はテレビや冷蔵庫、洗濯機を購入する際に、家電リサイクル法に従って手数料を支払っている。リサイクルされると思うから、この法律には賛同できるし、リサイクル手数料を払うのである。
 
 しかし大手量販店の一部などでは、引き取った中古品を”再販”している。国内や海外に横流ししているのである。我々は前述の理由で手数料を支払っているのであって、”リユース”(再利用)されるのであれば、むしろ買い取ってもらいたいほどである。
 
 2005年5月に東京で行われた国際的な環境会議で、南アフリカの大臣は「先進国は中古品を製品として押しつけ、ゴミを増やしている」と非難している。平成11年12月には、栃木県の産廃処理業者が、古紙と称してフィリピンに輸出した貨物の中から、注射針や使用済み紙おむつが発見される事件も起きた。
 
 日本では「リサイクル」という言葉が「再生利用」という意味ではなく、「回収」という意味に過ぎないように思える。いずれにせよ、廃家電についての回収、リサイクルについて明確なルートを明確にしなければ、国際社会から非難が集中することになりかねない。削減しなくてはならないのは温室効果ガスだけではなく、こうした廃家電もそうである。京都議定書のホスト国がこれでは何をするにしても実効性に疑問を持たれる日が来るであろう。そして我々も、ゴミを出さない工夫を常に考えることが重要である。
 
 地上デジタル放送が始まると、アナログ放送にしか対応していないテレビが大量処分される恐れがある。この問題は産業先進国としての喫緊の命題である。
 
 
 
 
★ 世界の「電子ゴミ」、7割が中国へ 中国メディア(レコードチャイナ・09/6/9)
★ 廃家電4万台を不適切処理 環境省などが適正処理を勧告(産経新聞・09/4/27)
★ 化学物質問題市民研究会 ・有害廃棄物の輸出問題(09年3月、PDFファイル)
★ 廃家電、アジアむしばむ(朝日新聞・08/1/8)
★ ピリピン環境保護団体が日本の廃棄物投棄に反対する集会が行われる(independent media center・07/2/24)
★ 家電量販店2社引き取りの廃家電 約8,800台分で不正処理の可能性(EICネット・04/3/10)
★ 環境白書(環境省)=ページ下部に「フィリピンへの注射針事件」についての記述
 
 
 

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