言葉のリサイクル

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お年寄りと接する”常識”の変化

 
 
 ”中高年のアイドル”と言われている綾小路きみまろさん。1時間のライブに多くの中高年層が訪れていた。たくさんの毒舌を吐いているが、それが人気の秘密のようである。来場者は「事実を言われているから何も気にならない」と笑う。
 考えてみると、お年寄りを気遣って当たり障りのないことを言いがちではあるが、それが世代と疎遠の間柄になってしまっている気がする。最初は目上の存在であるから敬語を使って話しているが、それがいつの間にか距離を置いた関係を作ってしまっているのかもしれない。
 
 認知症を防ぐこととして、頭を使うことが大切であるようだ。例えば熊本県の老人ホームでは、これまでオムツをして寝たきり状態にさせていたことをやめて、食事が終わるとトイレに連れて行く。入浴も寝たまま入るスタイルを変えて、介助をしながら通常の入浴に近い形を取り入れた。食事もどんなに時間がかかっても、リビングでスプーンなどを使って食べてもらう。「今まではこちらが面倒を見てあげている、というおごりがあったかもしれない」と施設の責任者は言う。
 
 毒蝮三太夫さんも高齢者への毒舌で有名だ。「ジジイ」「くたばれ」「バレンタインデーに関係のないババアばかりだな」などなど。しかし最初からそのような芸風・口調ではなかったという。40年前にラジオ番組を担当したときに同級生から「普段の話し方じゃないからつまらない」と言われて、今のような口調になり人気を博した。
 
 毒蝮さんは聖徳大学短期大学部客員教授を務め、老人とのコミュニケーションについて教えている。高齢者に接するポイントは、「笑顔で話しかける」「肩に手をかける」「気にかける」の3つだ。人と接する機会が少なくなり、自然と笑顔が消えていくお年寄り。「笑顔で話しかける」というのは対老人でなくとも大切な要素に思えた。人とのふれ合いが少なくなるから「肩に手をかける」。「風邪を引いたみたいだけど、調子はどう?」というように「気にかける」。
 定年退職で人生の節目をリタイアする高齢者は、社会と接する機会が少なくなっていく。本当は誰かと話したくて仕方ないのに、本心から接してもらえない寂しさがあるのかもしれない。上記のお二人の毒舌が受け入れられているのは、よそよそしい態度ではなく、そのものズバリを言っているからに他ならない。
 
 高齢者を受け入れている職場がある。東京・五反田にある「モスバーガー五反田東口店」だ。募集している年齢を見ると、「16歳〜75歳まで」となっている。若い人であれば機械的な対応で済ませてしまうところを、年配者ならではの柔らかい口調の接客が受けていて、若い人ばかりではなく年配のお客さんも増えているとか。ちょっとした気遣いもお客さんに好評で、若い店長も見習うべき点が多いと考えている。
 
 孤独になればなるほど脳も衰えていく。認知症予防の観点からも、「人と話す」という基本的なコミュニケーションを忘れないようにしたい。人生の先輩から教わることもあるであろうし、自分も将来必ず老いと向き合わなくてはならないのだから。
 
 そして過度に年寄り扱いすることも良くないことかもしれない。ある施設で若いスタッフが「おばあちゃん、お食事ですよ」などと声をかけても無視されていた。そこにベテランのスタッフが来て「○○さん、お食事ですよ」と名前を呼びかけたところ、振り向いてくれたという話しを思い出した。
 
 
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