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ファイル復元ソフトの威力

 昨年末にMacのクリーンインストールを実行した。04年の春に購入、OSは10.2(Jaguar)だったが、すぐに10.3(Panther)をインストール、さらに10.4(Tiger)に、そして一昨年に10.5(Leopard)にした。すべて上書きインストールであったし、余計なファイルやソフトも削除してすっきりさせたいことから、クリーンインストールを思いついた。クリーンインストールとは、ハードディスクを一度きれいに削除して新たにインストールすることである。
 
 必要なファイルはバックアップ。クリーンインストールは滞りなく終了した。あぁ、そういえばOSのインストールはこんなに時間がかかるものなんだな。
 
 ところがである。バックアップしたと思っていたファイルが一部消えていた。消えても差し支えないものは残っていたが、絶対に消してはならないファイルに限って消えていた。バックアップしたつもりだったが確認を怠った。
 
 これは困ったことだ。オンラインにてダウンロード商品を4つほど購入していたが、そのシリアルナンバーや認証コードの類が記されていたメールのバックアップも見事に消えた。iTunesに取り込んだダウンロード楽曲もすべて無くなった。83曲すべてを安く見積もっても12000円ほどの損失。茫然自失となった。
 
 過去に読んだ記事で、消去してしまったデータを復元するソフトがあることを思い出した。ネットでいろいろ調べたところ、DataRescueというソフトがあり、体験版をダウンロードできるということで試してみた。160GBのハードディスクスキャンに30分ほどかかったろうか。結果は大量のファイルやフォルダが出てきた。体験版では1つのファイルしか復元ができない。もうこの”おあずけ状態”に我慢がならず、翌日量販店にてDataRescueを購入した。「アメリカでの評価ナンバーワン」、「FBIなどの捜査機関も使っている」という文言に惹かれてしまった。”プロも使用”という言葉に弱い。 
 
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 帰宅して早速スキャンしてみる。すると出るわ出るわ、4年前に通常削除したファイルはほとんど出てきた。他にも大量すぎてチェックが大変なくらいにファイルが復活した。特に欲しかったメールに関しては、送受信両方合わせてほぼ100%に近いの数のメールが復旧した。すぐに削除してしまうほうなので、昔のメールが非常に懐かしかった。驚いたことに、添付されてきていたエクセルや画像ファイルも8割がた開くことができた。おかげでダウンロード商品の認証コード等が記載されているメールも見つかり、新たにダウンロードすることができた。ちなみにダウンロード商品は、ダウンロード回数に制限がある。
 
 メール以外のファイルについていうと、音声・画像ファイルもほぼ完璧に復元した。動画ファイルに関しては、40%くらいだろうか。ファイルが壊れてしまっているようで、残りの60%ほどは開くことができなかった。「確実にゴミ箱を削除する」や、ユーティリティソフトにあった「デジタルシュレッダー」で削除したファイルについては、復元しなかった。
 
 この一件でバックアップの大切さがよく分かった。分かってはいるが、面倒でなかなかやらないのがバックアップ。しかし、いつ誤って消してしまうか分からない怖さがパソコンにはある。この類のソフトは便利だと思ったのと同時に、消したと思ったファイルが簡単に見られてしまう可能性もあるという恐怖を感じた。だから、他人にPCや外付けハードディスク、USBメモリなどを譲渡貸し借りする時には、気をつけた方がよい。
 
 作成されたファイルは通常の「ゴミ箱を空にする」で消去すると、ファイル情報が削除されるだけで、データ本体は消えずに残っている。新たにファイルが上書きされれば、古いファイルは物理的に消えていくが、完全に消えるには相当の時間がかかる。確実に消したい場合はデータに上書きをして削除をする、これを繰り返せばよいのだ。
 
 ユーティリティソフトでは「ゴミ箱の複数回削除」といった機能があるし、私の持っていた「デジタルシュレッダー」なども効果的であろう。それでも不安なかたは、記録メディアを物理的に壊すしかない。トンカチでめった打ちにして、火であぶって水に浸せば、もう物理的に復元不可能だ。そこまでして見られたくないファイルというのがあるのかどうかは分からないが。
 
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 前に使っていた、128MBというメモリスティックもスキャンしてみた。入れていたファイルはワードにエクセル、パワーポイントに画像ということで、ほとんど使っていないこともあり、100%復旧した。そして以下の写真は、使用している携帯のマイクロSDカードをスキャンしたときの画像。
rescue1
 
・見つかった動画ファイル。残念ながら見ることはできなかった。

 
・音声ファイル。すべて音楽なのだが、完璧に復旧した。

 
 こういう感じで、ファイル名までは復旧しないので、一つ一つチェックする必要がある。Macの今のOSには、アプリケーションを使わずにファイルの中が分かる「クイックルック」という機能があり、それが膨大なファイルをチェックするのに大活躍した。
 
 DataRescueは、ハードディスクやメモリスティックにデジカメなど、あらゆる記憶媒体をPCにつないでスキャンできる。ただ、復旧させたいファイルが見つかったときの場所を、スキャンした媒体とは違うところに設定する必要がある。ゆえに、Mac本体をスキャンしたいのであれば、外付けハードディスクなど、復旧させる場所を別に確保しなくてはならない。今回はDataRescueと外付けHDDを購入して出費がかさんだが、充分元は取れた。念のために書いておきますが、ファイルの復元を100%保証するソフトではないので、そこはご承知おきください。
 
 
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★ DataRescue2(iGeek.Inc)
 
 

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