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白人警官、無抵抗の黒人青年を射殺 暴動に発展 米・加州(2009.1.16)

 警官が黒人に危害を加えたことが暴動に発展することは少なくない。有名な事件が91年のロドニーキング氏暴行事件だ。ロサンゼルス市内でスピード違反で捕まったロドニー氏は何の抵抗もしていなかったが、白人警官4人が殴る蹴るの暴行を加えて瀕死の重傷を負わせた。この模様を近くの住人がビデオで撮影、テレビで放映されると抗議行動が始まった。
 
 ロス市警はこれとは違う事件で、黒人容疑者を連行しようとした。しかし周囲の黒人住民がこれを阻止、不穏な空気になったところで市警本部より「危険だ、撤退せよ」と指令が下り、警官十数人は引き上げていった。すると黒人住民はパトカーに向かって投石を始め、近くの交差点を通過する無関係の車にも投石、停車していた車から人を引きずり出し、殴る蹴るの暴行を加えるなどした。「92年ロサンゼルス暴動」の始まりであった。
 
 市内各地で放火や略奪が発生、そしてその怒りの矛先は経済的優位に立ち、黒人蔑視の風潮が強かった韓国系住民に向けられた。この暴動の前に、韓国系女性商店主が15歳の黒人少女と店内でトラブルになり、帰ろうとして背を向けた少女の頭部を商店主が狙撃した事件も背景にあった。さらにロドニーキング氏に対する暴行の裁判で、加害者である白人警官4人全員が無罪となったことから、暴動は激しさを増した。
 アメリカが抱える人種問題の根深さが浮き彫りとなったが、今月1日未明、米カリフォルニア州オークランドの地下鉄駅で、無抵抗の黒人青年が白人警官に射殺された。この模様は携帯電話のカメラで動画撮影され、ネットの動画サイトYouTubeに公開された。その後、黒人住民を中心に抗議行動が起こり暴動に発展、放火や略奪が発生して逮捕者は100人以上となった。
 
 地下鉄駅のホームでけんかが起きているとの通報を受けて、複数の警察官が駆けつけた。当事者の1人である黒人青年のオスカー・グラントさん(22)らを警察官が取り押さえた。動画を見る限り、オスカーさんらは警察官に抵抗する様子もなく地面に座っていただけであったが、そこで突然、白人のジョハネス・マーサリー巡査(27)がオスカーさんの背中に向けて発砲した。
  
 マーサリー巡査は「危害を加えられかねない状況になった」とし辞職したが、アラメダ群地検は13日、殺人容疑で逮捕した。同容疑者の逮捕を受けて、地元オークランドでは再び暴動が発生、黒人のデラムス市長が非暴力を呼びかけたが、18人が逮捕される事態になった。多民族が住む米国では人種問題が根深く存在している。
 
 「変革」はオバマ次期大統領のスローガンである。「Yes, we can(私たちにはできる)」という米国発の経済好転を期待したいところであるが、それと同時に米国発の差別や暴力の根絶を期待したい。選挙前だけの「イエス・ウイ・キャン」ではなく、オバマ氏が任期を満了した頃に「Yes, we did」=「私たちは成し遂げた」と歴史が物語ってくれるように期待したい。ただ存在しただけの歴史ではなく、存在感があったと言われるような歴史的な歴史を。
 
 
☆ 世界の大偉業の大半は、「もはやこれで絶望か」と思われた時にも、なお仕事をやり続けた人々の手によって成し遂げられた。(デール・カーネギー)
 
 
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