公立図書館で窃盗が横行

 
 近所の図書館に借りていた本を返しに行った。カウンターで係員が渡した本をぱらぱらとめくる。何故こんな事をしているかといえば、本に下線を引いたり、写真など一部のページを破ってしまう者がいるからだ。目の前でそんなチェックをされるのはいい気分ではないが、そういった事情なので仕方がない。
 
 読売新聞は全国の道府県庁所在地、政令市、東京都および23区にある、約570の公立図書館で行方不明になっている本の冊数および、被害金額を調べた。それによると、2007年に行方不明になっている本などはおよそ28万冊におよび、金額にすると約4億1千万円にものぼることが分かった。防犯カメラや防犯ゲートを設置しているところもあるが、各自治体の財政事情もあり、根本的な有効策は見いだせていないのが実情だ。
 
 行方不明になっている本の多くは無断で持ち出されていることが多いと見られている。また、本の表紙だけを残して中味を全て抜き取ってしまうという手口も横行している。レシピ本や芸能人の写真などが多く掲載されている本が狙われやすいという。さらには、持ち出された本が捨てられているという事例もあり、近くの商店前の路上に段ボールに入った本80冊が見つかったり、駅のゴミ箱に捨てられているのが清掃員に発見されたりしている。
 
 昨年ある図書館で、中年女性がバッグに雑誌を入れたまま館外へ出ようとしていたため職員が呼び止めた。女性は「本が知らないうちにバッグに落ちた」といい、「盗んだ証拠でもあるのか」と激高し、職員が謝罪した。
 
 返却された本が水に濡れて使い物にならない状態になっていたため、返却に来た中年男性に弁償を求めると、「まだ読めるだろう。税金を払っているのに何故弁償しなくてはいけないんだ」と「逆ギレ」され、職員が謝罪した。
 
 全国の図書館ではこうした事例が頻発し、定期的に廃棄する本の中には、およそ半分が意図的に汚損された本である図書館も多い。言うまでもなく、公立の図書館というのは公の場所であり、その利用は利用者の性善説によって成り立っている。「公の施設は利用が安いかタダ」という意識が違う方向に暴走していると言わざるを得ない。図書館の職員は「最終的には市民のマナーに頼るしかない」と嘆く。しかしここまでくると、マナー云々というよりもむしろ犯罪である。
 
 たいした病態でもないのに救急車をタクシー代わりにする、ウソの通報でパトカーを呼び出す、公共の施設に落書きをする。公共サービスというのは本当に心強い存在であり、それを享受できるのはとても贅沢なことである。我々は、役人の無駄遣いを指摘することは多い。しかし、一般市民の中に紛れ込んで、公共物を汚損、または盗んでいる”税金ドロボウ”がいることも知るべきである。
 
 
☆ 本は何度も何度も開ける事のできる贈り物だ(ギャリソン・キーラ)
 
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★ 28万冊いずこに…全国公立図書館で不明、被害4億円超す(読売新聞・08/11/9)
★ 図書館で「切り抜き」「線引き」横行(本ブログ・06/12/12)
  

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