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高橋”Qちゃん”尚子 引退

  
 高橋尚子選手の愛称である「Qちゃん」とは、リクルート陸上部の新入部員歓迎会で、「オバケのQ太郎」を歌った事によるものらしい。音楽が好きなのか、シドニー五輪での練習の時は携帯プレーヤーでHitomiの「LOVE2000」を聴いてノリノリの状態でいた。
 
 そのシドニーでは見事金メダルを獲得し、「(小出)監督は?」と周りをキョロキョロ見回した。その直後のインタビューでは「すごく楽しい42キロでした」と笑顔で答えた。疲れているはずなのに、どうして笑顔でいられるのか驚いた。
 その後は師弟関係であった小出監督とのコンビを解消し、”独立”して新たな一歩を踏み出したが、成績は思うように振るわなかった。アテネや北京の選考からも外された。年齢的に限界ではないか、という声も囁かれていた折り、28日に引退の記者会見があった。
 「プロとしての走りが出来なくなった」というQちゃんは、引退の時期について悩んでいたという。結成した「チームQ」では、Qちゃんから去っていくメンバーもおり、「少ないメンバーをまとめられないなんて半人前。世の中の社長さんはすごい」とした。
 
 社長というのは往々にして孤独な身分である。Qちゃんは「マラソン選手は1人で走れるわけではありません。多くの人が支えてくださってマラソンは成り立っています」と話したが、やはりマラソンは孤独だと思う。本番では多くの観客が沿道で応援してくれる。しかし舞台裏の練習は地味であり過酷であり、そして沿道に声援はないのだ。それでも笑顔を振りまいていたQちゃんは凄いと思う。記録だけではなく、人々の記憶にも残る人というのは素晴らしいと思う。
 
 優勝すれば、面識のない観客でも拍手してくれるのは当然だ。しかし観客は辛く悲しい時を励ましてはくれない。引退会見が終わったときに報道陣から拍手を受けて、Qちゃんは初めて涙を見せた。辛かったことを吐露し、それに対して拍手がわき起こったことに感極まったのだろう。
 
 Qちゃんの父である良明さんは「長い間、とても良く頑張った。いずれはこういう日が来ると思っていた。しかし、尚子の人生は半分もたっていません。時間に例えるとまだ午前11時くらい。これからのことはじっくり考え、そしてゆっくりと人生を歩んでいって欲しい」と語った。
 
 まだ人生の午前11時なら、お昼ご飯が待っています。Qちゃん、これからの人生をお腹いっぱいにしてくださいね。
  
 
 
 
★ 【Qちゃん引退】高橋会見(1)「プロとしての走りができなくなかった」(産経新聞・08/10/28)
★ 高橋尚子引退:Qちゃんスマイル、最後の最後で涙(毎日新聞・08/10/28)
★ 高橋尚子さん、現役引退を表明…「完全燃焼」と(読売新聞・08/10/28)
★ 「完全燃焼し、さわやか」 Qちゃん、涙こらえきれず(朝日新聞・08/10/28)
 
 

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